やさぐれマクロビアン

 全くスローライフじゃないマクロビアン。オールシーズン山・岩・氷に向かっている。そんな日々の日記。

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裁判員やりました。

 ※まずは、裁判官に確認の上書いていますのでご安心くださいね。

 裁判員裁判が始まってもう四年とか。随分経験された方も増えておられるのでしょうね。

 確かに随分前に最高裁判所から「名簿に載りましたよ。」という案内が来ていました。DVDやらなにやらとともに。どえらい金かかってんな~!と思いましたが、まさか自分がやるなんて考えもしていませんでしたので、すぐに思考の外へ。

 それから数カ月、もうすっかり忘れたころに「候補者になりましたよ。」というお知らせが。この段階では30人くらいに絞られたというだけ、そこからくじで6人が選ばれるのだとのこと。まず自分が6人の方に入るなんて考えもしない事態でした。なので、午後からお買いものに行く気マンマンの服装で、呑気に小説を読んでいたところ自分の番号を呼ばれ、心臓が跳ねました。

 そしてそのまま裁判長、裁判官二名、弁護士二名、検察官二名が待つ会議室の様な所へ通されました。六角形になったテーブルで彼らを前に職務を全うしますと宣誓する私たち。なんだか現実の事とは思えない・・・・。

 実は私その昔、刑事事件の裁判に証人として出廷したことがあって、その時の裁判官と検察官、弁護士に対して失望した事がありました。「現実はこんなもんかぁ~。」という儀礼的な裁判を見せられて、ここがこれじゃあ弱い立場の人間はどうしたらいいんだろう?と心細くなったものでした。

 なので、その後に導入された「裁判員裁判」には、あの人たちと一般人が協力してなにか出来るとは思えないという思いしかありませんでした。

 宣誓が終わり控室に移動しますが、裁判長(声がやたら良い)も二人の裁判官(若い綺麗な女性と、私と同じ年の優しそうな関西人男性)も一緒です。驚いたことに、休憩時間も昼食もずっと一緒。評議する以外の時間は雑談しながらリラックスして過ごし、法廷に移動するのもずっと一緒。裁判長は「私たちは一緒にやっていくチームです。」と繰り返しおっしゃる。

 私たちはすぐに慣れてしまい、時には彼らが黒い法衣に着替えるまで裁判官だったと忘れてしまうほど。

 数年前の裁判でサイボーグみたいな裁判官に出会い、奴らは人間じゃないのだと思っていた私には驚くことばかりでした。しかしこの段階では、いや!きっと彼らは裁判員裁判用にトレーニングされた裁判官に違いない!などとまだ疑念を持っていましたよ。

 彼らは私たちをリラックスさせようと一生懸命でしたし、何度も事件を整理して説明してくれたり、法律に照らし合わせて判断して行く手法を根気よく教えてくれました。私たち市民の感覚を大事にしようと、ささいな疑問や引っかかりもそのままにせず、一人ひとりの裁判員から意見を引き出して、じっくり話し合ってくれました。

 単純にこの人たちIQ高いわ~!と思う事も度々。
 
 なにより驚いたのが、裁判そのものの変化です。激変と言っていいと思います。変化のきっかけは裁判員に解りやすく、というコンセプトからでしょうが、結果的に被告人にも傍聴している関係者にも有益になっていると思います。

 何度も数年前と比較してしまいますが、当時の裁判は専門用語を早口でまくしたてる検察官と、段取りを進めるためにいるだけか!?と思えるほどの裁判官、立って「異議ありません。」と言っては座るだけの弁護士がほんの数分の儀式を行うだけのものでした。(罪名が違いますからね、裁判員裁判の様に殺人罪などであればそこまで儀礼的では無かったかもしれません)

 まず、検察官が努力してゆっくり話そうとしていました!口調もやさしいではありませんか!私たちに解りやすいプリントを準備し、写真や見取り図をモニターに映したりと努力しています。

 つぎに弁護士(国選ですよ)。まず被告人が犯した罪に対して自分たちはどんなコンセプトで弁護して行くか、という方向性を打ち出してきました。これは素人にはわかりやすい方法だと感心しました。

 私が被告に質問した内容を受けて、翌日にはそこから不利な方向に(私たちの)発想が及ばない様に、すぐに証人からアンサーを引き出すなど、ものすごい努力を感じました。

 裁判長は、裁判員が参加することで量刑の傾向も変化して来た(結論が検察側の求刑を越えたり、裁判官の予想を下回ったり、上にも下にも広がっているとか)と話していましたが、その前にこの裁判自体の激変だけをとってみても短期間にこの変化(頭の硬そうなイメージがある職業の方々の巣窟なのに!失礼・・・。)は相当にすごいことだと思いました。

 疑い続ける私は事あるごとに、裁判長や二人の裁判官に「とはいえ自分たちだけでがやった方が楽でしょう~?」「こういう説明めんどうじゃないですが?なんのメリットがあるんですか?」「全員が裁判員裁判を担当するんですか?」などとカマをかけ続けました。

 正直初めは大変であったという答えでしたが、(なぜ彼ら裁判員は理解できないのか?と悩んだけれど、それは自分たちが分かる様に説明していないのだと気付き、その都度手法を変えて来た。そして自分たちも慣れて来たのだと話していた。)「今では刑事で裁判員裁判やらなきゃ話にならないっていう感じになっています。」とまで。

 美人女性裁判官は「いろいろな職業の方がいて教えて頂くことも多いです。そういった見方があるのかと感心することが多いです。」とも言っていました。刑事事件を担当する裁判官では、原則的に裁判員裁判をやらない裁判官はいないとのこと。あのサイボーグ裁判官もやっているのだろうか!?どこかの裁判所でみんなとご飯食べているの!?
 
 サイボーグ裁判官と言えば、今回私の席は裁判官のすぐ隣でした。驚いたことの一つに彼らの速記術があります。(速記文字ではありませんが)顔は前を向いたまま、法廷を見まわし、資料画像を見たりもしつつその手はずっと弁護士、検察官、被告人や証人の発言をメモし続けているのです。彼は大きく二つのコマに分けた用紙に見ていないとは思えない綺麗な文字と間隔で書いていきました。

 肘から先しか動いていないので、被告人席や傍聴席からはなにもしないで聞いているだけに見えたかもしれません。このメモを元に、別室で話し合うのです。

 もしやあの日のサイボーグも、肘から先は物凄く動かしていたのか!?

 裁判官は三人とも「裁く」という感覚で仕事をしていませんでした。

 裁判長は「私たち人間には判断することに限界があるのです。どういう気持ちでこの犯罪を犯したのか。これは本当には知ることはできない。態度が悪いから、反対に良い人そうだから、そういうあたりは全然考慮されない訳ではないけれど、同じ人間として本当にその人を知ることができない以上、そればかりで判断することは出来ないししてはならないんです。」と言いました。

 また、「裁判が前面に出る世の中になってはいけない。それでは息が詰まってしまう。裁判というのは社会の一番下でひっそりと支える立場でなくてはいけないんです。」とも言いました。裁判に入る前、「法が守る一番大事な個人の利益は人命です。」と話してくれたことを思い出し、裁判が終わる頃には、この人たちの仕事がどんなものなのかを理解することができました。

 裁判長声が良いからか、いちいち感動するんですよね。裁判長って立場まで行くと人間こんなに深みがでるもんなんですかね?冗談抜きで判決の時は大岡越前かと思いましたよ。

 同じ年の男性裁判官は「ほろっと来そうになることも沢山あります。反対に何だこいつと思う事も。でも僕たち裁判官は表情に出してはいけないと教育されています。」と言っていました。どこかの裁判長が被害者の証言で涙を流したことが、全国ニュースになる様な事なのだそうです。サイボーグの原因判明。

 私は絶対できない仕事だ・・・・私もらい泣き病ですからね。人の涙を見てだいたい0.5秒で感染してしまいますから。今回も被告の親が泣くのを我慢している姿に私が泣きそうになりましたからね。

 裁判員、これはチャンスがあれば経験するべきだと思いました。単純に社会勉強になりますし、(裁判所のバックヤードを見られますからね)人間の弱い部分をガッツリ見せられですごく考える機会になります。

 ただし、今回私が関わった事件内容は亡くなった方もおらず、酷い写真などもありませんでしたので、こんなことが言えるのかもしれませんが・・・・。

 連続11日間という裁判があったり、裁判員裁判が始まっていらい、最高で100日を超えるものもあったそうです。その心労たるや相当なものでしょう。(ちなみにメンタルサポートも充実しています。)

 私が参加したケースは、被告人をどうやって社会復帰させて行くかが主のテーマでした。判決は多数決で、裁判員の考えに重点が置かれます。私達が(裁判長の導きによって)出した判決とその理由が盛り込まれた判決文が出来上がった時には軽い感動を覚えましたよ。

 もちろん既定の書式に収めるのは裁判官なので、つくづく体験させてもらってる感でいっぱいです。

 法廷での最後の仕事である、判決言い渡しの為に法廷の入口で待っている間、自然と全員が厳粛な気持ちになって誰も雑談をしませんでした。

 初日に初めて法廷に入る時、裁判長は一礼する理由を教えてくれました。「毎回一礼しますが、これは傍聴席に対して礼をしているわけではないのです。法廷と言う場に対して礼をしているのです。」この言葉によって「お買いものに行くモード」だった自分がシフトされました。真剣に関わらなければいけないのだと、しっかりやろうと決めた瞬間でした。

 病気になった人と同じ、その人(被告・被害者)にとって一生に一度のことに関わるのだから。(人によっては慣れた方もいるでしょうけど・・・。)

 最終日、今までの流れに関しての感想や意見を話し合います。なんと、それぞれの事件に関わった弁護士、検察官、裁判官が集まって、よりよい裁判を行うために後日反省会をするのだそうですよ!

 その成果が、たった四年でこれほぼどまでに変化した裁判と言う事なのでしょうか。

 正直こんな素晴らしい体験になるとは思いませんでした。

 もちろん難しい判断もありますし、あの席はすごく疲れます。毎晩バタンキューでした。私は常々看護師と言う職業を通して、人生きれいごとでは生きられないことを体感しています。これを知らないで生きることにならなくて良かったと思っています。今回は「犯罪」というまた別の人間の弱さを見ました。すごく考えました。やっぱり知らないで生きていくよりよかったと思いました。

 人間て弱くて愚かで、でもなんて一生懸命なんだろうか。生きるって大変だし無様だけれど素晴らしい。

 裁判官が刑を受ける大変さを一番理解して、リアルに想像していることを知れたことは、本当にうれしい事でした。

 裁判員裁判は個人情報を取り扱う関係で他言できないこともあるけれど、参加した感想や裁判官、検察官、弁護士に対する感想などはどんどん公にして下さい!と言われました。

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 これは裁判員への感謝状とシリアルナンバー入りのバッジ。私で840人目でした。裁判長はしきりにそれ欲しいんだけど、我々は絶対もらえないんだよなぁ~。と連呼していました。

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カム&ナッツ

Author:カム&ナッツ
マクロビオティックを始めてから、年々強靭になって行きます。とうとう40歳!今の方が明らかに20代の時より強いです。どこまで行けるかな!
看護師・KIJマクロビオティックアドバイザー(←語らないほうがいいかも!)

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